免疫力を高める食材探し隊

身の回りにある食べ物の中で、栄養豊富で免疫力を高める効果がある健康的な食材・食品は何だろうと興味が湧き、その栄養成分を調査する旅に出てみたくなりました。

酵素

パイナップルの栄養成分といえば消化酵素(ブロメライン)、ビタミンC

パイナップルの免疫力効果は、腸内環境改善、整腸作用

 パイナップルはさわやかな酸味と甘みが魅力のトロピカルフルーツですが、他の果物にはあまり見られない特徴として、「ブロメライン」と呼ばれるタンパク質分解酵素の一種が含まれていることが挙げられます。

 酢豚にパイナップルが入れられるなど、パイナップルが肉を柔らかくすることはよく知られていますが、その理由はタンパク質分解酵素であるプロテアーゼに分類される「ブロメライン」によるものだったのです。

 また、ブロメラインには、腸内の老廃物や余剰物を分解する働きもあるそうなので、腸内環境の改善にも役立ってくれそうです。さらに胃液の分泌を活発にして、胃腸の健康を保つ効果もあると言われています。

 しかし酵素は50℃を超えるとその効果を失ってしまうとされているため、パイナップルを加熱するのは避けたほうが良さそうです。

 さらに、パイナップルには食物繊維も含まれているため、ブロメラインとの相乗効果で腸内の環境を健康に保ってくれそうです。

 そのほか、パイナップルにはビタミンCが可食部100gあたり27mgと、柑橘類に匹敵するほど豊富に含まれています。ビタミンCには強い抗酸化作用のほか、ストレスから守ってくれる働きもあるとされているため、免疫力の維持には必要不可欠です。

pineapple

キュウリの栄養成分といえばホスホリパーゼ、βカロテン、カリウム。

キュウリの免疫力効果血流改善、肥満症予防。

 「世界一栄養がない野菜」と言われているキュウリですが、2011年にホスホリパーゼという脂肪分解酵素が発見されたそうで、そのため、キュウリには脂肪を分解してくれる作用があるそうです。

 脂肪は、タンパク質や糖質と比べると、酵素が消化の過程で分解するのに時間がかかるとされており、分解しきれなかったものは体に溜まりやすいと言われています。(酵素の免疫力効果のより詳しい情報に関しては「酵素免疫生活」のサイトを参照してください)

 この脂肪分解酵素であるホスホリパーゼは分解力が強い新型の酵素で、血液をサラサラにしたり、体を温める働きがあると言われています。また、このホスホリパーゼはすりおろすと増えるそうなので、フライや天ぷらなど、脂っこい揚げ物などを食事で摂る際には、サイドメニューとしてキュウリをすりおろしたものを一緒に食べるのが良いと思われます。

 そのほか、免疫力の賦活作用や皮膚や粘膜の健康維持の働きがあるβカロテンが緑の表皮に含まれています。また、キュウリには利尿作用によって腎臓を助け、血圧を正常にする働きも期待出来るカリウムも多く含まれています。

 夏が旬のキュウリには体を冷やす働きもあるので、真夏や残暑が厳しい時期にうってつけの野菜なのです。

kyuuri

大根の栄養成分といえばイソチオシアネートとジアスターゼ。

大根の免疫力効果消化酵素の働きによる抗がん作用。

 免疫力を高めてくれる野菜としてよく耳にするのが大根です。

 春の七草のひとつである「スズシロ」とは大根のことですが、その大根には鉄とマグネシウムが多く含まれているために、風邪や気管支炎の咳止めなど、粘膜の病気を癒す働きがあります。

 また、生の大根を干して切り干し大根にすると、がんの予防効果があるリグニンという不溶性食物繊維が作られると言います。

 根の部分にはビタミンC、葉の部分にはカロテンや食物繊維が豊富に含まれていると言われますが、大根が免疫力効果が高い食材として取り上げられるのは、辛みのもとであり、アブラナ科の野菜に多いイソチオシアネートという成分が含まれているからです。

 イソチオシアネートは植物に含まれる化学成分「ファイトケミカル」の一種で、特に皮の部分に多く含まれ、大根をすりおろしたり、切ったりすることで、酵素の働きによって生成されます。ガンの元になる傷ついた細胞の増殖を押さえるため、抗がん作用や、人間の体に害を及ぼす細菌を殺したり、細菌の力を弱めたりする免疫力効果があると言われています。

 また、大根にはジアスターゼ(アミラーゼ)、オキシターゼ、カタラーゼ、ステアーゼといった消化酵素も豊富に含まれており、主に胃腸の調子を整える作用があります。特にオキシターゼは焼き魚の焦げに含まれている発がん性物質「ベンツピレン」の解毒作用があることで知られており、サバやサンマなどの焼き魚の側らに大根おろしが添えられるのは理にかなっているのです。

 それに加え、消化酵素が体内に増えると、体内の酵素に余裕が出来るため、代謝の役割を果たしやすくなるという利点もあります。酵素が代謝の働きをすればするほど、新陳代謝は良くなり、免疫力も向上します(代謝酵素と消化酵素の働きについてこちらの記事を参照してください)。

 現代においては特に、消化酵素は過食の傾向によって消費しがちなので、大根おろしを積極的に食べることは消化酵素の補充に最適です。

 しかし、イソチオシアネートも消化酵素も熱に弱いので、大根はやはり生のものをおろして食べるのが免疫力アップの秘訣です。
 

daikon

 

納豆の栄養成分といえば納豆菌とナットウキナーゼ、ビタミンK。

納豆の免疫力効果善玉菌増強、整腸作用、血栓溶解。

 数多い日本食の中でも、特に健康維持や免疫力アップに重宝されている食品は、納豆だと思われます。

 納豆は良質のたんぱく質や血圧を下げるカリウム、三大栄養素のエネルギー代謝に関わるビタミンB2、免疫機能を保つビタミンB6といった、人間の体にとって必要不可欠な栄養素が豊富な日本の伝統食として知られていますが、その中で特に注目されているのは、やはり納豆菌による酵素の働きです(酵素の詳しい免疫力効果については「酵素免疫生活」のサイトを参照してください)。

 納豆菌のすごいところは、乳酸菌などに比べて、熱にも胃酸にも強く、腸内に届いて長生きするということです。腸に届いた納豆菌は腸内で活性化し、自ら善玉菌の働きをし、悪玉菌を減らすとされています。それと同時にビフィズス菌などの善玉菌を増やしてくれる働きもあるそうです。

 善玉菌が増えれば増える程、腸内環境が改善され、免疫機能の向上や整腸作用が期待出来るようになるので、なかなか死滅せず腸内でしぶとく生き続ける納豆菌のパワーには、目を見張るものがあると言えます。

 さらに、納豆のネバネバ部分に含まれているナットウキナーゼというたんぱく質分解酵素には、血栓溶解作用があり、脳梗塞や心筋梗塞の予防といった免疫力効果があるとされています。

 もちろん、単純にナットウキナーゼが含まれた納豆を食べれば血液がサラサラになるとは言い切れないようですが、他にも血液の凝固作用があるビタミンKも納豆には含まれていることから、納豆は血液をバランスの良い状態に保つと考えられています。

 そのほか納豆には、血管に付着したコレステロールや脂肪などを洗い流し、血管をきれいにして動脈硬化を防ぐ免疫力効果があるとされる、サポニンという成分も含まれています。

 それ以外にもムチンという、粘り気やぬめりのもとになっている、たんぱく質と結合した多糖類が納豆には含まれています。ムチンは食品だけではなく、人間の涙、唾液や胃液といった分泌物や胃腸の粘液などにも含まれており、優れた保水力や粘膜を保護する働きがあることで知られています。

 そのため、目が乾くドライアイの症状や、胃酸によって胃が荒れる症状を緩和してくれる効果があるとして期待されています。

 また、ムチンにもたんぱく質を分解する酵素が含まれているため、食べ物から摂取したたんぱく質を吸収しやすくすると言われています。したがって、たんぱく質がエネルギー源として効率良く利用することができるようになるので、疲労が回復しやすくまるとされています。

 それに加え、「止血のビタミン」と呼ばれているビタミンKも、納豆には豊富に含まれています。ビタミンKは、血液凝固因子のプロトロンビンの合成に補酵素として働きます。さらに、骨のカルシウムの沈着にも関わっており、骨の形成に重要な役割を果たしています。

 納豆は、生野菜や果物などに含まれていおり、加熱食には含まれていない酵素を手軽に摂れる日本の伝統的な発酵食品です。しかも原料の大豆は栄養バランスが良いヘルシーな食材なので、腸内の環境を改善したり、血液をきれいにしてくれたりするといった様々な免疫力効果がある納豆を毎日食べて、ぜひとも免疫力を高めていきたいですね!

nattou

ギャラリー
  • らっきょうの栄養成分といえば食物繊維とフルクタン、硫化アリル。
  • 柿の栄養成分といえばビタミンCとタンニン。
  • パイナップルの栄養成分といえば消化酵素(ブロメライン)、ビタミンC
  • 亜麻仁(アマニ)の栄養成分といえばα‐リノレン酸、食物繊維、リグナン。
  • 桃の栄養成分といえば食物繊維、カリウム、ナイアシン。
  • キュウリの栄養成分といえばホスホリパーゼ、βカロテン、カリウム。
  • サツマイモの栄養成分といえばビタミンCとヤラピン。
  • ホヤの栄養成分といえばビタミンB12とミネラル。
  • スイカの栄養成分といえばβカロテンとシトルリン。
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名前 伊澤晴秋

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