卵(たまご)の免疫力効果は免疫機能の維持と向上、免疫細胞の強化。
卵(たまご)は普段の生活に当たり前のように溶け込み、ほとんど毎日口にすることが多いですが、その栄養成分を調べてみると、栄養のバランスが非常に良く、その免疫力効果の高さにも驚かされます。
良質のたんぱく質の他に、ビタミンAやB1、B2、D、E、鉄分やミネラルなど免疫維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
さらにたまごは、「必須アミノ酸」がバランスよく含まれていることで知られています。たんぱく質を構成するのは20種類のアミノ酸ですが、その中で私たちの身体では作られず、食事からとらなければならない必要不可欠な9種類のアミノ酸のことを「必須アミノ酸」と言います。
免疫細胞もアミノ酸から作られているため、必須アミノ酸の摂取は免疫力の向上につながります。また、疲労回復や肝機能の強化にも関係しています。
それ以外にもグルタミンというアミノ酸がたまごには含まれています。グルタミンは、免疫細胞の全体の半分以上が集まっている小腸の、主なエネルギー源となっています。
その免疫細胞の中でも一番重要なリンパ球のエネルギー源となっているのもグルタミンだと言われているため、小腸内でグルタミンの濃度が高くなると、グルタミンを栄養分とする免疫細胞(リンパ球)の細胞分裂が活発になり増殖が始まり、その他の免疫細胞(マクロファージ)の働きも活発になるとされています。
加えて、たまごの卵白には抗菌・抗ウィルス作用、免疫力を高める作用のあるリゾチームという天然酵素が含まれています。殺菌効果が抜群のため、塩化リゾチームという慢性副鼻腔炎や気管支炎などの薬にも使われています。
そのほか、 卵黄にはレシチンや、そのレシチンを構成しているコリンという物質が含まれています。レシチンは、白血球の壁がリン脂質レシチンとコレステロールなどでできているため、免疫細胞の強化に最良だと言われています。また、コリンは神経伝達物質アセチルコリンを作り出すため、脳を活性化し、記憶力を高める作用があると言われ、認知症の予防に有効だとされています。
ちなみに、たまごはコレステロールが高いと思われがちですが、たまごに含まれるレシチンやオレイン酸が悪玉コレステロール値を下げてくれるため、毎日1~2個食べても、過剰にコレステロール値を気にする必要はないそうです。それならば、安心して栄養価の高いたまごを毎日の食生活に採り入れ、免疫力を高めていくことが出来ますね。