カシスとはベリー類の一種で、ブルーベリーやサンタベリーによく似ている、小さく丸い果実を実らせますが、ユキノシタ科スグリ属に分類され、ツツジ科スノキ属であるブルーベリーとは種類が異なります。
そのカシスには、アントシアニンが豊富に含まれています。その含有量はビルベリーの1.4倍、ブルーベリーの4.3倍だと言われています。
アントシアニンとは、ポリフェノールの一種で、有色野菜や果物の赤紫色を構成している色素成分のことです。ポリフェノールには強い抗酸化作用があることが特徴で、太陽光の紫外線などによって発生した活性酸素を防ぐ働きがあります。
また、アントシアニンは目の網膜にある「ロドプシン」というたんぱく質のはたらきを助けるため、視力の低下や眼精疲労に効果があると言われています。
ロドプシンは光の情報を受け取ると分解し、電気信号として脳に伝えるという大切な役割を担っています。それにより、私たちはものが見えるようになるのです。
しかしパソコン操作やテレビの視聴などで長い時間目を使い続けると、このロドプシンの再合成が遅れてしまうことがあり、その事態が目がショボついたりぼやけたりするといった症状につながる原因であるとも言われています。アントシアニンには、このロドプシンの再合成を促す働きがあるため、そのような低下した視覚機能を改善する効果があるとされています。
ちなみに、カシスのアントシアニンには、「D3R(デルフィニジン-3-ルチノシド)」と「C3R(シアニジン-3-ルチノシド)」という、ブルーベリーやビルベリーなどには無い特有の成分が含まれています。
このようなカシス特有のアントシアニンには、「ピントフリーズ現象」を改善し、ピント調節機能を維持する働きがあるとされています。これは眼精疲労の改善を示すもので、ブルーベリーにはない注目に値する効用です。
また、抹消血流を活発にさせるはたらきによって筋肉のコリをほぐす効用もあるため、カシスのアントシアニンを摂取することで、疲れ目や運動の疲労に対して、疲労を軽減させることが明らかにされています。
しかも、カシスのアントシアニンは素早く体内に吸収され、血流が改善されるうえ、しばらく残っているという即効性と持続性の性質もあります。
カシスはビタミンやミネラル、食物繊維も豊富。
さらにカシスには、アントシアニンだけではなく、ビタミン類やミネラル類、食物繊維などが豊富に含まれています。ビタミン類に関しては、ビタミンCがオレンジの3倍も含まれ、ビタミンAやビタミンEなども他の果物に比べて豊富です。
しかも、ミネラル類も、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、銅などが多く含まれており、特にカルシウムとマグネシウムが2対1と、理想的とされるバランスで含まれています。
これらのビタミンとミネラル、アントシアニンなどがバランスよく含まれているカシスには、ウイルスの侵入を防ぐと共に、インフルエンザウイルスを不活性化する働きがあることが分かってきています。
そのほか、食物繊維も他の果物や野菜に比べると、可食部100gあたり約5gの含有量と、カシスにはかなり豊富に含まれています。食物繊維には腸の蠕動運動を促して、体内の余剰物を排出する作用があります。そのため「腸管免疫」とも呼ばれる腸の腸内環境を整え、免疫力の向上にも役立ちます。
このように、まさにスーパーフルーツとも言うべきカシスですが、日頃の食生活に採り入れる場合は、カシスパウダーでの摂取がオススメです。