サツマイモの免疫力効果は、抗がん作用、腸内改善。

 秋の味覚の一つであるサツマイモには、でんぷん、ブドウ糖、ショ糖、果糖などが多く含まれていますが、それ以外にもビタミンCやビタミンE、ビタミンB1、B6、カリウムをはじめとしたミネラル、食物繊維など、様々な栄養素がバランス良く含まれています。

 特に、サツマイモに含まれているビタミンCの量は可食部100gあたり29mgと、柑橘類に匹敵するほど、豊富に含まれ、さらにでんぷんに守られるために加熱に強いという特長もあります。

 また、サツマイモには「ガングリオシド」と呼ばれる糖脂質が含まれており、抗がん作用のほか、免疫力の向上や神経細胞の修復といったはたらきがあるとされています。

 さらにサツマイモを輪切りにした時に出てくる、白いネバネバした樹脂を含む物質「ヤラピン」には、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促したり、胃の粘膜を保護したりする働きがあると言われています。

 それに加えてサツマイモにはセルロース(食物繊維)も含まれているため、「ヤラピン」との二つの効果で、便通が良くなるとされています。また、腸内のビフィズス菌や乳酸菌を増やす働きがあるとされる「アマイド」という成分もサツマイモには含まれており、この「アマイド」が腸内の環境を整えるのに一役買っているとも言われています。

 腸に溜まった余剰物が排出され、腸内環境が整って善玉菌が増えれば、「腸管免疫」と呼ばれるほど免疫細胞が集まっている腸の機能が高まるため、免疫力アップも見込めるようになります。

 サツマイモは炭水化物ばかりだというイメージがありますが、ビタミン類や食物繊維(食物繊維の免疫力効果についてはこちらの記事を参照してください)に加え、「ガンクリシド」「ヤラピン」「アマイド」といった特有の成分も含まれており、非常に栄養バランスが整った、免疫力の向上にも期待が出来る食材だと言えそうです。

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