オリーブオイルの免疫力効果コレステロール値の低下、生活習慣病予防、抗酸化作用。

 オリーブオイルは様々な油の中でも特にからだに良いとされる免疫力効果があることで知られています。

 「脂肪」や「油」というとメタボ対策やダイエット中の方にとってはつい敬遠してしまう類のものになりますが、脂質は人のカラダを構成するための大事な栄養素の一つであり、不足すると様々な体の不調を引き起こすと言われています。また、体内に脂肪を貯めやすいため出来るだけ避けたほうが良いとされるのは、一般的にマーガリンやバターなどに含まれる「飽和脂肪酸」のことを指します。

 特にオリーブオイルに70%以上も含まれる「オレイン酸」は、「一価不飽和脂肪酸」と呼ばれ、α‐リノレン酸やDHA、EPAなどの必須脂肪酸と違って体内での合成が可能ですが、免疫力を高めてくれるので積極的に摂ったほうが良いとされています。

 その理由はまず、オレイン酸には善玉コレステロールを減少させることなく、悪玉コレステロールを減らしてくれる働きがあるからです。

 コレステロールや飽和脂肪酸を多く含んだ動物性脂肪を過剰に摂ってしまうと、血中の悪玉コレステロールが増加し、血管内壁に付着してしまいます。それにより血管が塞がれ、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因になってしまいます。

 しかし、オレイン酸は善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らしてくれるため、生活習慣病や動脈硬化、高血圧、高コレステロール血症、心臓病などを予防する免疫力効果があると言われています。

 また、オレイン酸は酸化しにくいため、体内で活性酸素と結びついて過酸化脂質となるのを避ける性質があります。過酸化脂質はDNAに損傷を与えることで発がんを招き、動脈硬化にもつながります。そのため、酸化されにくいオレイン酸を摂取することは、がんや動脈硬化の予防にもつながります。

 それ以外にも、蒸気や溶剤などを利用して精製されたものではない良質のオリーブオイルには、抗酸化成分であるポリフェノールやビタミンEが多く含まれていると言われています。特に「エキストラバージンオリーブオイル」と呼ばれるオリーブオイルには、100種類以上のポリフェノール類やビタミン類が含まれていて、高い免疫力効果があることが分かってきています。

オリーブオイルの免疫力効果l


 さらにオリーブオイルから発見された「オレオカンタール」という天然化合物が、発熱の鎮静や炎症などを抑えるイブプロフェンによく似た効果を生じ、さらにアルツハイマー病の予防にも効果的だとして注目を集めています。

 最近よく「腸」についての本をたくさん書かれている藤田紘一郎氏が、腸内を改善し、腸の働きをスムーズにしてくれる食品として、過酸化脂質を防ぎ、抗酸化作用があるオリーブオイルを薦めています。

 また、『腸寿』や『新オリーブオイル健康法』などの著者である医師の松生恒夫氏も、オリーブオイルが小腸を刺激して腸内の便のすべりをよくするとして、腸の健康のために食事にオリーブオイルを採り入れることを推奨しています。

 腸は「腸管免疫」という言葉があるほど、免疫細胞の多くが集まっている人体最大の免疫器官ですので、腸内環境の改善につながる良質のオリーブオイルを普段から摂ることで、免疫力を高めていきたいですね!